初めてぶつかる壁を越えたら
2014-02-05


禺画像]
妻と一緒に喫茶店で手話を学ぶ。
健聴者、聴こえる人が手話を学ぶときにたぶんぶつかる最初の壁は、表情をつけるということだろう。
手話は手で表す。健聴者が手話を使うとき、手で表すことだけに意識を集中させる。中途難聴者として学び始めたわたしもはじめはそうだった。
次第に手を使って表すようになったのはいいけれど、ろう者とやりとりをかわしていき、日本手話を学び始めると、手だけが手話表現ではないということに気づかされた。
つまり、顔で表すのも手話だ、ということだ。

どういうことだろうか。
疑問や尋ねるときは尋ねる気持ち、疑問を問う気持ちを顔の表情で表す。
うれしいときはうれしい、という気持ちを出す。
聴こえないもどかしさ通じないいらだちは聴こえない人に共通の思いだ。そのもどかしさいらだちがあるからこそ、伝えよう伝わってほしいという思いを込めて、顔の表情も込める。

妻はよく「オーバーアクション、演技過剰」とわたしについて言う。
日常会話はそこまでやる必要はないけれど、舞台ではオーバーなくらいがいいのだ。
ついついわたしはふだんでもオーバーにやってしまう。

聴こえる人が手話を学ぶのはたしかにたいへんかもしれない。
初めてぶつかる壁、「表情をつける」を乗り越えたら、ぐっと聴者とろう者難聴者の距離が近くなる。
[commnication]

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