わが世の春……
2008-12-10


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今年9月にLehman Brothers Holdings Inc、リーマンブラザーズの破たんが起き、米国連邦破産法第11条の適用を申請したことにはじまる金融危機は、世界中に大きな影響をもたらし、連日のようにテレビや新聞、雑誌で大きく取り上げられています。

そんななか、こんな報道がありました。

NFLが職員10%削減 チケット販売不振を予測
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総収入6000億円のNFLも人員削減、2か月で150人
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世界のフットボールファンの大きな関心話題である、毎年2月にひらかれるNFLのチャンピオンを決めるスーパーボウルの入場料が、史上はじめて1000ドルになる一方、プレーオフのチケットを約10%値下げすると、National Football League(NFL)が先月発表しました。

チームにとってもリーグにとっても大きな収入源は、なんといってもスタジアム・球場に来てくれるお客さんです。試合観戦に来てくれ、ジャケットやTシャツ、ジャージなどのチームウエアやグッズといったスーペニア、試合パンフレットやドリンク、フーズを買ってくれる。チームウエアやグッズなどの売り上げはシーズン、シーズンオフに関係なく、収入が期待できます。
1試合だけのお客さんがいるいっぽう、シーズンチケットといって、ホームゲーム8試合全部を買ってくれるお客さんもいます。ウィンスコンシン州グリーンベイにある、Green Bay Packersというチームは、ホームゲーム8試合のシーズンチケットの希望者が30年先まで埋まっているとか。
スタジアムには、一般客とは別に、ラグジュアリーブースやスイートルームといって、大企業の社長や重役クラスが購入できる、高価で上品な部屋から観戦できるシートがあり、一般の観客とはまた別に大きな収入をもたらします。RaidersがOaklandからLos Angelesへホームを移し、またOaklandへ戻ってきたのは、Los Angelesという巨大な人口を抱えるマーケットゆえに、より多くのお客さんに来てほしかった。けれどLos Angeles市のメモリアル・コロシアムが老朽過ぎて(2度のロサンゼルス五輪で使われたスタジアム)、さらに周囲の治安もよくなかった。Los Angeles市にラグジュアリーブースやスイートルームの改善を求めたけれど受け入れてもらえなかったためといわれています。

球場は税金で建てられるため、市民の理解や支援がないと、成り立ちません。ここ10年あまりはスタジアムの命名権を売って企業にスポンサーになってもらうのが多いのだけれど、それにしても企業が倒産したりスポンサー企業が離れたり、見合った利益がなければ、チームにとってもスタジアムにとってもよくない結果になります。

次に大きな収入はやはりテレビやラジオです。スーパーボウルともなればコマーシャル放送を希望する企業がたくさんあるのです。そしてレギュラーシーズンの試合中継。試合前後も選手や解説者が出演したりコメントを出したりします。わたしが観戦した、9月の試合のときも、試合当日夜にRaidersの選手が地元オークランド、サンフランシスコのテレビ局のスポーツ番組に出ていました。

そんなことを思いながら、はじめに挙げたNFLの人員削減のニュースに、暗たんたる思いを感じました。
なんといってもNFLはアメリカでもまれにみる「優良企業」だったからです。32チームからなるNFLは、1チーム16試合の試合を提供し、「NFL TOTAL ACCESS」というネットワーク番組をつくるなど、9月から翌年2月までのレギュラー、ポストシーズンが終わっても、ファンをつなぎとめよう、興味を引き付けようとしています。そして総収入6000億円……。

写真に挙げたのは、わたしが観戦した試合のチケットです。76ドルとありますね。
これでも3年前から10ドルほどの値上げでした。


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